借地権者が借りている借地を時効により取得することは可能?


他人の土地を借り、その上に家を建てて住む場合には、土地を利用させてもらう「借地権」を設定することが必要です。

この借地権は、建物を所有する目的で他人の土地を借りる権利のことですが、土地を借りている借地権者が、底地を時効により取得することはあるのでしょうか。

借地権が設定されていることで土地を利用できる

勝手に他人の土地を使うことは違法行為ですが、借地権を設定することで他人の土地を利用することが可能となります。

借地権にも地上権と土地賃借権という種類があり、地上権は他人の土地を利用する権利の中でも物権的な権利で、当事者以外の誰にでも主張を可能とし、自由に権利者が処分することができます。

もう一方の土地賃借権は債権的な権利で、地上権のような債権とは異なり、主張できるのは当事者間でのみとなり、相手の承諾がなければ自由に処分することはできません。

時効により借地が自分の所有になることは?

単に土地を借りるための権利ではなく、建物を所有することを目的とした土地の権利として得るなら、土地賃借権のことを指しているといえます。

その土地賃借権を得た借地権者とは、土地を借りる権利のある者のことですが、例えば借りた底地を時効により取得することはできるのかが気になるところです。

しかし、一般的には土地を借りる上では地代を支払っているはずなので、原則として時効が成立し取得することはないといえます。

民法の規定では…

民法の規定を確認すると612条には、20年間、所有する意思を持ち、平穏・公然と他人の物を占有した者は所有権を取得すること、さらに10年間、所有する意思を持ち、平穏・公然と他人の物を占有した者は、占有を開始する時に善意で過失がなかった場合は、所有権を取得することが記されています。

いずれの場合も、土地の持ち主であるという意思がなければ時効によって所有権を取得することはできないということです。

地代を払うことは自分が持ち主ではないと認めていることと同じ

地代を地主に支払い土地を借りていることは、その時点で自分がその土地の持ち主ではないことを認めていることになります。

そのため、所有の意思を持つことにはならないため、時効により借地権者が底地を時効で取得するとは考えられないでしょう。

ただし、借地権者が地主に対し、地代を支払わないケースにおいては、条件を満たせば時効取得することがあるので、必ずしもというわけではありません。ただ、一般的には借りている土地を時効で取得できるという事はないと理解しておきましょう。