相続が発生したことで事業を承継する際には消費税の申告も必要?


亡くなった方が事業を営んでいた場合、相続でその事業を承継することもあるでしょう。その時に気になるのは相続税がどのくらい発生するかということでしょうが、消費税にも注意しておくことが必要です。

消費税の納税義務が発生するのは、2年という基準期間で課税売上高が1千万円を超える場合、または前年の1~6月における課税売上高と支払給与が1千万円を超える場合です。

ただ、相続で事業を承継した場合は、納税義務が発生するのか判断する方法が少し変わってきます。

相続で事業を承継した場合の基準

相続で事業を承継した場合には、相続が発生した年から3年間で消費税の課税事業者となるかを判定します。

また、相続が発生した年と、その翌年、さらに翌々年では、それぞれ課税対象となるか判定する方法が異なるので注意してください。

まず、相続が発生した年については、上に述べた基準に該当するかで消費税の課税対象となるか確認してください。

該当しない場合でも、亡くなった方の基準期間(2年)の課税売上高が1千万円を超えるには、相続発生日の翌日からその年の12月31日までは課税事業者となるので消費税の申告が必要です。

相続が発生した年の翌年または翌々年は判断の基準が異なる

この場合も同様に、上記の項目に該当する場合は消費税の課税事業者となりますが、該当しない場合でも、相続人の基準期間の課税売上高と亡くなった方の基準期間の課税売上高の合計額が1千万円を超える場合は課税対象となります。

なお、相続が発生した年の翌々年以降は、原則の基準に該当するかで消費税の課税事業者となるか判断するようにしてください。

基準に関係なく課税事業者となるケース

相続人が「課税事業者選択届出書」を提出している場合は、これらの基準は関係なく課税事業者となります。

もし課税事業者選択届出書を提出すると、「課税事業者選択不適用届出書」で届出しない限りは課税事業者のままですので注意しましょう。

遺産分割協議がまとまっていない場合

もし相続人が複数人いる場合で、遺産分割協議がまとまらないという場合にはどのように申告すればよいのか迷うこともあるでしょう。

相続が発生した年の年末までに、遺産分割協議がまとまらず財産が分割できていないという場合には、それぞれの相続人が共同で亡くなった方の事業を承継したとみなされることになります。

それぞれの相続人が納税義務を負うことになるかを判断する場合、亡くなった方の基準期間の課税売上高についてはその金額をそのまま採用しません。

亡くなった方の基準期間での課税売上高に対し、各相続人の法定相続分を掛けて算出することになりますので間違わないようにしてください。