相続で収集する戸籍に含まれる改正原戸籍とは?

相続が発生した場合、亡くなった方の出生から死亡までの戸籍を収集することが必要です。そこには一般的な戸籍謄本だけでなく、改正原戸籍や除籍謄本と呼ばれる戸籍も含まれますが、馴染みのない方はどのようなものなのかわからないかもしれません。
そこで、改正原戸籍や除籍謄本とはどのような戸籍なのか、その内容をご説明します。
そもそも戸籍を出生から死亡まで集める理由
なぜ亡くなった方の出生から死亡までのすべての戸籍を集めなければならないのかというと、誰がその方の相続人が確定させるためです。
戸籍は生まれてから亡くなるまで1通ではなく、出生、結婚や離婚、養子縁組、死亡など様々な理由で転籍や除籍が行われます。
そのため、出生から亡くなるまでの間、いつ誰の子として生まれ、誰と結婚し、子を授かり、いつ亡くなったのかなどを戸籍で確認し、相続人となり相続権を取得できる方は誰なのか確定させなければなりません。
亡くなった方が高齢の場合など、戸籍が戦争などで焼失されていて出生まで戸籍を遡ることができないこともありますが、生殖機能が発達する前の年齢である12歳や13歳頃まで遡ることができれば特に問題なく手続きを進めることが可能です。
改正原戸籍とは
すべての戸籍を揃えるには、亡くなった方の最後の戸籍を取得し、そこから順番に前の戸籍に遡ることになります。
現在の戸籍は横書きで文字も電子化された記載になっていますが、法令改正で縦書きの形式に変更されたからです。
この法令改正による戸籍形式が変更される前の戸籍が改正原戸籍です。
戸籍を遡っていくと、昭和23年式戸籍や平成6年式戸籍とは異なる古い形式の戸籍が出てくることがあります。
例えば大正4年式戸籍や明治31年式戸籍がその例ですが、編成の基本単位が家となっている点に注意しましょう。
家督相続といった現在にはない形の相続の記載があるかもしれません。
除籍謄本とは?
除籍謄本とは、作成された戸籍に含まれる方が、結婚により新たな戸籍を作成したことでその戸籍を抜けたり、亡くなったことで戸籍から抜けるなど少なくなっていき、最終的に全員が抜けて誰もいなくなった戸籍のことです。
例えば夫婦のみの戸籍で夫が先に亡くなれば、妻はその戸籍に残ります。しかし妻もなくなると死亡によりその戸籍から抜けることになるので、戸籍謄本ではなく除籍謄本という扱いに変わります。
転記ミスによるトラブルが発生する場合も?
改正原戸籍は現在の戸籍のように電子化されたものではないため、すべて手書きで古い戸籍から新しい戸籍にその内容が転記されていました。
そのため中には転記ミスなどがあり、途中で遡ることができなくなるといったトラブルが発生することもあります。
このような時には、戦争や火災などで古い戸籍が焼失してしまっている場合と同様、役所などでどのように手続きを行えばよいのか相談してみることも必要です。