不動産経営で事前に計画しておきたい建物と室内の修繕について

アパート経営やマンション経営など、賃貸不動産を所有し運営していく上で、定期的に必要となる支出に修繕費用があります。
不動産経営は建物の全部、または一部を賃貸して家賃を収入として得ることを目的としますので、質の高い生活環境を入居者に提供するためにも修繕は欠かせません。
そのため計画的に修繕を行うことが必要となるため、臨時的な出費ではなく計画的に必要な支出としてとらえておくべきといえるでしょう。
どのくらいのサイクルで修繕が必要?
どのような建物でも、常に風雨にさらされている状態であるため年数が経過すればだんだんと老朽化していきます。
そのため定期的な修繕が必要となりますが、例えば1棟の不動産を購入した場合の項目ごとの修繕時期の目安は次のとおりです。
・屋根や屋上の防水加工…10年前後
・外壁の補修や塗り替え…10年前後
・鉄部の防錆加工…3~5年前後
・機械設備などの交換…15年~20年前後
・給排水管の補修や交換…15年~20年前後
これらはあくまでも目安であり、物件の立地環境や建物構造や用いる資材などによって異なります。
ただ、いずれも10年を経過すれば修繕が必要となると考えておくべきであり、将来発生する修繕に向けた資金準備が必要です。
中古の投資用不動産を購入する場合には、次の修繕がいつ必要になるのか試算しておき、その費用も含めた投資計画が望ましいといえます。
建物全体以外に部屋の修繕の必要
建物全体を適切に管理・維持するための修繕だけでなく、入居者が使用する部屋の修繕も必要です。
元の入居者が故意や過失で部屋を汚したり傷をつけたりしたわけでなく、通常の使用方法による生活の損耗や経年による劣化は家主が修繕費用を負担しなければなりません。
そのため入居者の契約期間満了や中途解約などによって退去となった時、次の入居者を獲得するために部屋のクロスやカーペット、畳などの張り替えた水回りの清掃などに対する修繕費用が発生します。
入居者に原状回復費用を負担してもらうことは可能?
賃貸借契約の際に、特約を設け退居時の原状回復にかかる修繕費用は入居者に負担してもらうといった形をとることも可能ではありますが、賃貸住宅競争に勝ち収益を上げていくことを考えれば得策とはいえない方法です。
もし部屋に冷暖房設備を設置している場合なども、一定期間を経過すれば交換が必要となります。他にもキッチンや給湯設備など交換が必要となると考えられますので、その点も踏まえた上での修繕や資金の計画が必要といえるでしょう。