借入金を増やせば税金の節税対策に有効って本当?

税金の節税対策には借入金が有効という話を耳にすることがあります。
しかし、借入金で節税するという考え方は本当に正しいのか、そもそも税金を減らすことは可能なのか気になるところでしょう。
結論からいってしまうと、確かに税金を減らすことはできます。しかし、結局は損をすることになると考えられます。
元本の貸し借りだけでは税金は影響しない
借入金の元本を返済したとしても、結局、税金は減りません。
仮に1,000万円の借入れがあるとき、1,000万円を返したとしても税金は変わらないのです。
借金をして手元のお金が増えても、それに対する課税はありません。ということは、借金をしても税金を減らすことはできないということになります。
利息がなければ、借入と返済、どちらも税金には影響ないということです。
利息を支払えば税金に影響する
ただし、借入金に対する利息を支払うと、税金は減ります。
仮に年利3%で1,000万円借入れを行い、1年後に借入金の元本1,000万円、それと利息30万円を返済したとします。
元本1,000万円を返済したことは税金に影響ありませんが、利息30万円は経費として計上することができるので、税金を減らすことに影響があると考えられます。
仮に法人税率25%とした場合、利息として支払った30万円の25%分である75,000円の税金が減ることになるといえるでしょう。
節税=得であるとは限らない
確かに節税できていると考えられますが、これが本当に得なのかというとそうではありません。
まず、全く借入金がなければ、当然利息の支払額もないので節税効果は何もありません。
その一方で、上記のパターンで借入金がある場合、利息の支払は300,000円、得た節税効果は75,000円、結果、マイナス225,000円になります。
お金を借りれば利息が発生します。損得で考える場合には、支払う利息と節税効果を合わせて考えなければ勘違いしてしまうことになります。利息の支払額まで加味した上で損得を判断すれば、借金があることは損であると判断できるでしょう。
本当に意味がある行為か再度確認を
借入金が節税対策になるという考え方は、利息は経費だからその経費を増やすことができるので節税対策になるという考え方です。
しかし、余計な利息を支払ってそれによって税金の一部が減ったとしても、本当に意味があるでしょうか。
必要なのはトータルしてどのくらい得になったのかを考えることです。一時的に経費が増えて、税金の負担が軽くなったように感じるかもしれませんが、結果として余計な費用を支払っていれば何の意味もないという事になります。