定期借家契約は事前に書面の交付と説明が必要!もし怠った場合は?

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賃貸借契約には、一般的な「普通借家契約」と「定期借家契約」がありますが、定期借家契約を結ぶ場合には事前に書面で交付しておかなければならない内容に注意が必要です。

では、どのようなことを書面に記載しておかなければならないのか、後でトラブルに発展しないように確認しておきましょう。

定期借家契約が誕生した経緯

定期借家契約を結ぶ場合、貸主は借主に対して、事前に定期借家では契約が更新されないこと、契約期間が満了することで賃貸借は終了することを書面に記載・交付し、説明しなければなりません。

もともとは一般的な普通借家契約しかなかったのですが、平成11年12月に「良質な賃貸住宅等の供給の促進に関する特別措置法」が成立し、借地借家法の一部が改正されて平成12年3月に「定期借家制度」が施行されました。

普通借家契約の場合、貸主が貸していた建物を自己使用することになったなど、正当な事由がなければ契約更新の拒絶はできません。自動的に契約更新されてしまうことは、貸主にとってデメリットでもあるといえます。

そこで、事前に契約で定めた契約期間が満了すれば、契約は更新されず終了する契約である賃貸借契約として、定期借家契約が新たに創設されたわけです。

定期借家契約を結ぶ場合の要件

ただし、定期借家契約を結ぶ場合、次の要件を満たすことが必要とされており、要件を満たしていない場合は普通借家契約として扱われるため注意してください。

・建物賃貸借の契約期間を定めておくこと
定期借家契約においては、不確定な期限ではなく、一定の賃貸借期間を定めることが求められます。

・契約更新がない旨の特約を定めておくこと
締結する契約内容に、契約は更新されないことを特約として付帯しておくことが必要です。

・公正証書等の書面で契約締結すること
定期借家契約は公正証書などの書面で契約を結ぶことが必要です。

・契約前に貸主は借主に定期借家契約である旨を記載した書面の交付・説明を行うこと
先に述べた通り、定期借家契約を結ぶ場合には、事前に貸主から借主に対し、契約が更新されないこと、期間満了で賃貸借契約は終了することを記載した書面の交付・説明が必要です。

仮に貸主が書面による交付・説明を行っていない場合、契約書に更新しないことが特約として定められていたとしても、特約は無効とされ普通借家契約として扱われます。

書面による交付・説明、終了前の通知を忘れないこと!

定期借家契約は、一定期間に限定して賃貸借契約を結ぶことができる契約方法なので、貸主にとってメリットと感じる場合もあるでしょう。

しかし、必ず書面として交付し、その内容を説明しておく必要がありますし、契約期間が1年以上で設定されている契約を終了時には、貸主は期間満了1年前から6か月前までに借主に終了の通知が必要です。

なお、貸主と借主が合意することにより、契約更新はできませんが再契約を行うことは可能とされています。

いくつか縛りがある契約方法のため、トラブル防止のためにも必要な手続きなど怠らないようにしておきましょう。

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