借入金の返済については覚書などで契約内容を残したほうがよい理由

誰かと約束事など取り決めを行うとき、本来であれば文書で残しておいたほうが、後でその内容を確認することができます。しかし、立場的に文書を交付する要求ができない場合や、馴れ合いの関係にあることなどから口約束で済ませてしまうこともあるでしょう。

実際、民法上の契約となる売買や贈与、請負、委任、賃貸借などは、口頭での契約も有効ですが、やはりトラブルを未然に防ぐという意味でも文書にして残すことを検討するべきと考えられます。

特に借入金など金銭の受け渡しなどが発生する場合は、覚書など契約書を作成して残しておくようにしましょう。

いつ契約書を作成する?

では、実際に金銭の貸借があるとき、どのタイミングで契約書を作成しておけばよいのでしょう。

もっともよいのは、当事者間で貸借に合意があったときです。目的に合った契約書などを事前に準備しておくことが望ましいですが、急な話で前もって用意ができないなら、覚書や念書などの形式で文書に残すようにすることを検討しましょう。

契約内容を示す書類の違い

契約書、覚書、念書など、どれも同じような意味にも思えるかもしれませんが、それぞれ違いを確認しておくようにしましょう。

□契約書

契約とは、相対立する2者以上の意思が合致したときに成立する法律行為です。当事者の一方から申し込みがあり、他方が承諾することによって成り立つ行為といえるでしょう。

その契約内容を示す契約書とは、2者以上の意思表示が合意に至っていることを証明するための文書です。

契約には意思表示以外に、目的物を提供・受領したことを要件とするものもありますが、金銭貸借など消費貸借契約はその中の1つです。

□覚書

契約書を作成する前段階において、当事者同士の合意を文書にする場合や、契約書の補足・変更などを文書にするときに使われるのが覚書です。

なお、実態が契約の基本を定めている場合など、文書名が覚書であっても契約書としてみなされます。

文書名が契約書になっていると硬い印象ですが、慣れ合いの相手との間に波風が立たないようにするため、文書名を覚書などするとやわらかい印象になるとも考えられます。

ただし、覚書の実態が契約書の場合、記載されている内容に従った印紙の貼付も必要であることは理解しておきましょう。

□念書

当事者の一方だけが他方に対して差し入れる文書が念書ですので、書面には差し出した側の署名と押印のみがある状態の文書となります。

義務の負担や事実を認めることを一方的に証明するために用いる文書といえます。

文書名が合意書などになっていても、実態が一方のみが他方に差し入れる形になっていれば念書とみなされます。合意書の場合には、双方の当事者が署名・押印してそれぞれが所持する形となるので、区別しておいたほうがよいでしょう。

トラブルを未然に防ぐために

いずれにしても、借入金に対する返済などの約束事を文書にするには、口頭だけでなく文書として残しておいたほうが後々のトラブルを防ぐことに繋がるはずです。お互い慣れ親しんだ関係にある人同士であっても、お金のトラブルで関係が悪化しないために、文書として契約内容を残しておく様にしましょう。

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