相続できなくても住んでいる家にそのまま住み続けることは可能?

人が亡くなり相続が発生した時、もし遺言が残されていれば誰がどの財産をどのくらい引付がばよいのか、亡くなった方の意思に沿うことができます。

しかし遺言が残されていない場合、相続人同士が遺産分割協議という話し合いを行って相続する財産をどのように分けるのか決めることになります。

もし亡くなった方の家で暮らしている相続人がいる場合、住んでいることを理由にそのまま相続できるとは限りません。

ただ、配偶者については民法改正により、そのまま住み続けることができるようになりました。

民法改正で新たに制定された配偶者居住権とは?

民法改正により、新たに制定されたのが配偶者居住権という権利です。

亡くなった方の相続人が被相続人の配偶者を含め複数人存在する場合において、相続財産に亡くなった方の家が含まれていたとします。

亡くなった方とその配偶者がその家に住んでいた場合、配偶者が家を相続できなければ退去しなければならなくなってしまいます。そこで、配偶者が住んでいる家にそのまま住み続けることができるように設けられたのが配偶者居住権です。

配偶者居住権が有効な時とは?

配偶者居住権の効力を発生させるには、相続が開始された時(亡くなった時)に配偶者がその家に住んでいたことが必要です。

仮に亡くなった方が家を2つ以上所有しており、夫婦が別居してそれぞれの家に住んでいたという場合、または亡くなった方が介護施設などに入所していた場合でも配偶者居住権は有効です。

配偶者居住権で住み続けることはできても売却は不可

配偶者居住権により、亡くなった方の配偶者は住んでいる家にそのまま住み続けることができますが、この権利は配偶者が物件を相続せず所有者とならなかった時に使える制度です。

そのため、その家に住んでいるからといって、配偶者が勝手に家を取り壊したり売却したりということはできません。ただ、住み続ける上で必要となる修繕は可能です。

配偶者居住権はいつから有効?

改正された民法が施行されるのは2020年4月1日です。一部の制度はすでに施行されていますが、配偶者居住権については2020年4月1日から有効となります。

そのため2020年3月31日以前に亡くなった方の財産に配偶者が住んでいる家が含まれる場合、もし配偶者がその家を相続できなくても配偶者居住権を使って住み続けることはできないということです。

この場合、遺言書を作成しておくことにより配偶者に住んでいる家を引き継いでもらうことができるでしょう。

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