相続登記に権利証の添付は必要ない?その理由とは

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相続が発生し、亡くなった方の財産に不動産が含まれる時には、不動産の名義を亡くなった方から相続人の名前に変更する相続登記を行うこととなります。

この時、不動産の権利証が必要になるのでは?と考える方がいるようですが、原則、相続登記においては権利証を添付する必要はありません。

本来、不動産の所有名義を変更する時には必要となる権利証ですが、なぜ相続登記においては必要ないのか、その理由をご説明します。

そもそも不動産と権利証とは?

不動産の権利証とは、不動産を購入した時や贈与により取得した時などに、所有権を獲得したことを証明するものとして法務局で交付されます。

正式には、登記済証(平成17年不動産登記法改正前まで)や登記識別情報と呼ばれる書類で、不動産を売却する時にはこの権利証を添付し、売却する意思があることを証明します。

ただ、相続登記においては不動産の名義となっている所有者は亡くなっている状態であり、相続という形で新しい所有者となる相続人に不動産が引き継がれるため、権利証を添付する必要がないということです。

権利証を添付しなくてもよいかわりに、亡くなった方とその方の相続人であることを証明する戸籍謄本一式や、遺産分割協議書を添付しなければなりません。

権利証を添付しなければならないケースもある

相続登記を行う場合、権利証の添付は原則、必要ないとされていますが、ケースによっては必要になることもあるので注意しましょう。

例えば、亡くなった方の最後の住所と、登記簿上の住所の繋がりを戸籍の附票や住民票などで証明できないケースです。

住民票は死亡や転出した後、5年を経過すると取得できなくなりますので、亡くなってから5年以上経過した後で相続登記を行う場合、住民票を取得できなくなってしまいます。

戸籍の附票で住所を証明することもできますが、住民票同様に保存される期間は5年とされているので、窓口で発行してもらえなくても文句はいえなくなってしまうのです。

そうなると、亡くなった方が前の住所で登記し、その後、引っ越しをしているのにその情報を変更しておらず、最後の住所地と異なっている場合、登記簿上の住所と最後の住所地が繋がらないという形になってしまいます。

このような場合、権利証を添付する、またはすべての相続人から上申書を提出するといった形で対応してもらえることもあるので、法務局に確認した上で手続きを進めることが必要となります。

ただ、そのようなトラブルを未然に防ぐためにも、相続登記は早めに行うことが必要といえるでしょう。