売上に対して借入金はどのくらいの比率なら健全な経営?

本来なら金融機関から融資など受けることなく、借入金なしの無借金経営が理想だと考えてしまうものかもしれません。

仮に無借金経営を行う場合でも、売上代金を回収するタイミングと仕入代金を支払いにはタイムラグが生じてしまうため、帳簿上は黒字なのに手元に資金がないという状態が生じてしまいます。

しかし運転資金がないと事業を継続することは難しいため、やはり借入金の存在は大きいと言えます。そのため、売上に対してどのくらいの借入金であれば安全な経営と言えるのか確認しておきましょう。

そもそも借入金とは?

借入金とは、設備投資や資金繰りを目的として金融機関などから資金を借りることです。

支払期日が決算日翌日から1年以内であれば短期借入金、1年を超えるなら長期借入金に該当し、会計上、短期借入金は流動負債、長期借入金は固定負債に区分けされることになります。

借入金がどのくらいあり、その金額が経営を脅かす存在になっていないかを判断するための方法はいくつかあります。そこでそれぞれの算出方法や、安全・健全な経営とされる基準の目安を確認しておきましょう。

有利子負債依存度から判断する方法

借入金が総資産に対してどのくらいの比率を有利子負債依存度といいますが、

「有利子負債依存度=有利子負債/総資産×100%」

で、算出することができます。

有利子負債依存度の比率は小さいほど健全な経営と言えますが、一般的に30%以下であることが理想です。50%前後になると危険さを増すと言えますが、2015年度の倒産企業の有利子負債依存度は平均65%だったというデータも公表されています。

50%前後の比率では、金融機関から融資を受けることも難しくなるため、注意が必要です。

債務償還年数から判断する方法

事業による利益などから借入金を完済するまで何年かかるかを年数としてあらわしたものが債務償還年数です。

債務償還年数は、

「債務償還年数=有利子負債-正常運転資金/キャッシュフロー」

で、計算することができますが、この式のうち、正常運転資金は、

「正常運転資金=営業債権+棚卸資産-営業債務」

キャッシュフローは、

「キャッシュフロー=経常利益+減価償却費-法人税等」

で、算出することができます。

債務償還年数は10年以内であれば一般的には安全な財務状況だと判断されますので、金融機関からの借入金を検討している場合でも融資に応じてもらえるでしょう。財務内容が良い企業の場合、5年以内であることが多いため、この年数を目指すようにしましょう。

月商から判断する方法

借入金が月商の何倍であるかを示す指標が借入金月商倍率です。

「借入金月商倍率=借入金/月平均売上高(売上高÷12)」

で、計算できますが、一般的な目安としては月商の3倍までが健全な借入限度といわれています。借入過大の状態ではないか、決算書から簡単に確認できますので注意するようにしましょう。

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