収益不動産と借入金は同時に名義変更することはできる?

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アパートやマンションで不動産経営を行っている場合、収益不動産を相続対策のために子に贈与することを検討しているというケースもあるかもしれません。

もし、収益不動産購入のために利用した借入金の返済が終わっていないことから、不動産と借入金いずれも子の名義に変更して返済をしてもらいたいという場合、セットで贈与することは可能なのでしょうか。

不動産と借入金をセットで贈与することは可能?

不動産を贈与することにおいて、借入金の返済も肩代わりしてもらう取引は「負担付き贈与」に該当することになります。

親から子に対する負担付き贈与の場合においても、贈与自体は親子の間で契約すれば成立することになるでしょう。しかし、融資を行っているのは金融機関ですので、借入金の名義を子に変更するためには銀行など金融機関の承諾が必要です。

・金融機関で審査後に承諾が重要

金融機関で子が借入金の名義になることに対する審査が実施され、承諾を得ることができたら金融機関と現在の債務者(親)、新しい債務者(子)の三者による「免責的債務引き受け契約」を結ぶことになるでしょう。

・登記を行うことも必要

不動産の名義変更には登記が必要ですし、ローンを利用する時には不動産を担保にするための抵当権を設定する登記も行われています。そのため、契約締結後、「贈与」を原因とした所有権移転、さらに債務者変更による抵当権変更、それぞれの登記を行うことになります。

贈与者は売主と同様の責任を負う契約である

そもそも負担付き贈与は、財産を贈与する代わりに義務を負担してもらうという内容の契約です。贈与する財産と、負担する義務に関連性はなくても問題ありません。

一般的な贈与であれば、対象財産に難があっても無料で譲ってもらう以上、苦情や文句は言えないという部分があります。しかし、負担付き贈与になると何らかの義務を負担することになるので、売買契約を結ぶ売主と同じ責任を負うことになります。

損害賠償や契約解除という責任を負うことを理解した上で、検討したほうが良いと言えるでしょう。

・債務不履行があった場合は契約解除が可能

ただし、贈与を受けた側が負う負担義務を履行しない場合においては、債務不履行として契約解除が可能です。例えば借入金の返済を条件に贈与するのであれば、返済が行われなくなれば契約解除という形になると判断できるでしょう。

結果として税金が多くかかる場合もある点に注意!

負担付き贈与は、贈与された子に対して贈与税が発生しますし、贈与した親に対しては譲渡所得税(+住民税)が課税される可能性があります。贈与税の計算は、相続税評価額(路線価)などを利用できませんので、時価による評価がなされることから税額が高くなる可能性があります。

本来、賃貸として利用している不動産の場合、相続税評価額であれば評価を低く抑えることができるはずですが、時価による評価が適用されることは税金面で不利になると理解しておく必要があるでしょう。

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