共有名義の不動産を賃貸借する場合の契約書作成で注意しておきたいこと


共有名義の不動産を賃貸物件として使用するケースは少なくありませんが、この場合、契約書を作成する時にはどのようなことに注意すればよいのでしょうか。

また、不動産を共有している場合には、共有者の一定割合が賃貸することに賛成していなければ不動産を貸し出すことはできませんので、その点についても確認しておきましょう。

もし共有者のいずれかが賃貸に反対していても…

例えば兄弟3人がそれぞれ3分の1ずつを持分として共有している土地があり、その土地を貸すことについて長男と二男だけが賛成しているけれど、三男は反対しているとしましょう。

ただ、三男が賛成していなくても決定内容に拘束されることになるので、土地の賃貸借を行うことはできます。

どのくらいの賛成が必要?

共有名義の不動産を賃貸する場合、原則として持分の過半数の賛成が必要とされています。そのため、もし3人の共有者がそれぞれ持分3分の1ずつ所有している物件において、2人が賃貸することに賛成しているのなら、三男が反対していても長男と二男の決定内容に従うことになるわけです。

賃貸借の契約期間や不動産の利用方法による

なお、土地の賃貸借の契約期間が5年以下なら短期賃貸借となり、管理行為として処理されることになるので賛成者は過半数で足りますが、5年を超える場合には変更行為となるため全員の賛成が必要です。

また、賃貸する不動産をどのように利用するかによっても、賛成が必要になる割合は異なります。

例えば畑を畑の状態のまま貸し出す場合には、管理行為となり過半数の賛成で足りますが、畑を自宅建築の用地として貸す場合には変更行為となるので、全員の賛成が必要です。

賃貸借契約書の賃貸人は誰にする?

ただ、三男が反対している以上、賃貸借契約書の賃貸人を誰にすればよいのかなど、作成方法に迷いが出てしまうかもしれません。

しかし、賃貸人は長男、二男、三男の全員にしておき、署名と押印は長男と二男だけという形にしておいたほうがよいでしょう。

反対している共有者を除外した契約書は作成しないほうがよい

仮に契約書の賃貸人から、賃貸することに反対している共有者である三男を除外して作成するとします。この場合、賃貸借契約書の賃貸人として記載されるのは長男と二男だけです。

ただ、土地を借りる側としては、共有者同士で意思決定がなされていないと感じるでしょうし、違法な契約締結ではないのか?と誤解を受ける可能性もあります。さらに勝手に共有者の一部だけで契約締結を行ったのではないか?と受け取られる可能性もあるので、賃貸人は共有者全員にしておくようにしたほうがよいでしょう。