収益不動産が共有名義の場合、家賃収入など売上はどのような扱いとなる?


単独で所有しているのではなく、複数で共有しているものを共有物といいますが、共有名義の不動産とは共有物である不動産を指しています。

複数が1つの不動産を所有している状態ですが、収益不動産が共有物の場合、家賃収入として得た売上はどのような方法で会計処理を行えばよいのでしょう。

共有者のいずれかが代表で会計処理を

共有不動産の場合、家賃として得る収入を、それぞれの共有者が共有割合に従い入居者から受け取るようにすることは行わず、共有者のいずれかが一旦共有者全員分を受け取って分配することが一般的です。

そうでなければ、入居者も複数に家賃を小分けに支払わなければならなくなり、実務面からみても効率的ではありませんし、振込手数料などの負担も増えます。

そこで、帳簿を作成する場合も、共有者のうちいずれかを主たる共有者として、一旦、共有者全員分の金額を管理するようにしましょう。

この場合、主たる共有者が得た不動産所得は、後にそれぞれの不動産持分割合に応じて配分する手続きが必要です。

主たる共有者が管理することのメリット

主たる共有者の帳簿で共有者全員分を管理することで、どのくらい家賃収入を得たか、必要経費にかかった支払いなど、全体像を把握しやすくなります。

主たる共有者の帳簿では、共有者全員分の合計額、そして他の共有者に帰属する分を差し引いた金額が計上されます。これに伴い、他の共有者に対しての債権・債務も計上されることになるでしょう。

不動産所得をそれぞれの共有者に持分により配分するということは、間接的にそれぞれ共有者同士の債権と債務関係を明確にすることになります。

そのため、贈与税リスクや遺産額の算定にも有用ですし、共有者同士の債権・債務の精算にも有用になると考えられます。

もし主たる共有者が家賃を分配しない場合

もし主たる共有者が家賃収入をすべて独り占めにした場合はどうすればよいでしょう。収益不動産が共有名義の場合、このような問題が発生しないとも言い切れません。

このような場合、不法行為、または不当利得に関する民法の規定に基づき、分配される必要のある家賃相当額の損害金を請求することができます。

収益不動産の管理者である主たる共有者が、持分割合に従い他の共有者に家賃収入を分配しないということは、他の共有者の分配を受ける権利を侵害していることになります。そのため、主たる共有者は分配しないことで生じた損害を賠償する義務を負うことになるのです。

収益不動産が単独所有ではないのに分配しない行為は、他人の財産によって利益を得たのに、他人に損失を及ぼしていることになるため、分配されるべき家賃相当額は不当利得として返還してもらうことを求めましょう。