相続発生後の遺産分割協議中に相続人のいずれかが死亡した場合の取り扱い


相続が発生した時、亡くなった方が遺言書を残していない場合には相続人同士で遺産分割協議を行い、残された財産をどのように分けるのか話し合いで決めることが必要です。

しかし相続人の1人が遺産分割協議中に亡くなってしまった場合、どのような取扱いになるのでしょう。

遺産分割協議中に相続人が亡くなると誰が相続権を得る?

遺産分割協議はすべての相続人で行わなければなりません。ただ、すべての相続人が同じ場所と時間にそろった状態で話し合いを行わなければならないわけではなく、遠方に住む方などは協議の内容を理解・納得した上で、郵送でのやり取りなどを行い意思の承認を証明することも可能です。

そして遺産分割協議が整っていない間にいずれかの相続人が亡くなってしまったという場合、亡くなった相続人の意思を引き継ぐ方が遺産分割に参加する権利を得ることになります。

相続手続きが完了しない間に新たな相続が開始する数次相続

相続人のさらに相続人が遺産分割協議に参加する形となりますが、このように1つの相続の遺産相続手続きが完了しない間にまた新しい相続が始まってしまうことを数次相続といいます。

例えば父親が亡くなり、相続人である母親とその複数人の子が遺産分割協議で財産の分与について話し合いを進めていた中、母親が亡くなってしまったとします。

この場合、複数人の子は父親の財産についての遺産分割協議に加え、母親の財産に対する遺産分割協議も行うこととなるのです。

母親の財産には本来父親の財産も相続するはずだったため、父親から母親へ、母親から子へという2度に渡る相続が含まれることになります。

このように2度以上の相続が発生している状態を数次相続といいます。この数次相続では、それまでの話し合いが振り出しに戻る可能性が出てきたり、話し合いの場が持ちにくくなる可能性があるので早めに話し合いを成立させたほうがよいといえるでしょう。

数次相続と代襲相続の違い

数次相続と代襲相続は同じでは?と思った方もいるかもしれません。数次相続は、遺産分割協議が完了する前に相続人が亡くなったことで新しい相続が開始することであり、代襲相続は生存していれば相続人だった方の代わりに次の相続人が相続権を得ることです。

代襲相続では、父親が亡くなったことによって、その子が相続人となるはずだったものの、すでに子が先に他界していたことにより、その子である孫が子に代わり相続人として相続権を得るのが代襲相続です。

数次相続とは亡くなった順番が異なるという点で違いがあると理解しておいてください。また、相続税についても数次相続の場合は、同じ財産に対し二度課税されてしまうことを避けるため、第一相続と第二相続が10年以内であれば、第二相続の相続税から第一相続分の相続税額は一定額控除されるということも知っておくとよいでしょう。