共有名義の不動産を売却した時に経費計上や申告はどのように行う?
もし共有名義の土地や家など、不動産を売却して利益が出た場合には、どのように経費を計上したり、確定申告を行えばよいのだろうと考える方もいることでしょう。
そこで、共有名義の不動産の会計処理で注意しておきたいことなどをご説明します。
共有名義の不動産は持分割合に従い按分を
共有名義の不動産は、すべての共有者が同意のもと売却することになるでしょう。売却することで利益が発生した場合には、それぞれ共有者の持分の割合に応じて分けることになります。
売却する上で支払った経費なども、同じように共有者の持分の割合に従い按分する形です。不動産を購入する際の費用も重要ですが、この割合も利益を計算する時と同じく、持分割合に応じて分けるようにしましょう。
確定申告は共有者がそれぞれ行うことが必要
不動産が共有名義や単独名義に関係なく、不動産を売却して利益が出れば確定申告を行うことが必要です。共有名義の不動産を売却した場合、確定申告は共有者がそれぞれで行うことが必要となりますので注意してください。
不動産を売ったことで得た利益は譲渡所得となり、不動産を賃貸して得た利益は不動産所得となりますが、いずれにしても確定申告が必要です。
持分相当額で申告を
共有名義で譲渡所得や不動産所得を得た場合には、利益は全体の金額でなく持分相当額を記載することになります。
確定申告は個人が行うもののため、自分の持分に対する利益のみ申告を行えば問題ありません。仮に不動産を売却したことで5,000万円の利益が出た場合において、持分が5分の1だとしたら1,000万円の利益に対する申告が必要になるということです。
減価償却費も持分に応じて忘れず計上すること
なお、建物などは減価償却費の計算を行うことになりますが、この計算も持分に応じて行うことになります。
建物を購入すれば何千万円や億単位での費用がかかりますが、その費用を一度に経費として計上せず、毎年、経年や使用により劣化して価値が低下する分だけを少しずつ経費として計上していくことになります。
建物の法定耐用年数に従って計算した減価償却分を、減価償却費として計上していくことになるのです。
ただ、減価償却費についても共有名義の不動産の場合には、1年分を丸々計上するのではなく、持分の割合に応じた部分のみを経費として扱うことになります。
減価償却費は現金の出費を伴わずに経費として計上できる費用ですので、節税効果に大きく関係します。忘れずに経費として計上するようにしましょう。