共有名義の不動産を売却した時は短期譲渡と長期譲渡所得どちらで計算する?


1つの不動産を複数の方で共有している共有名義の不動産の場合、持分という割合をそれぞれが権利として所有している状態です。

不動産を売却する時、どのくらい対象となる物件を所有していたかによって短期譲渡となるのか、長期譲渡として扱われるのか異なることとなり、売却により発生した利益に対して適用される税率も違ってきます。

ただ、共有名義の不動産の場合、この短期譲渡と長期譲渡のどちらで税金を計算すればよいか迷うことがあるようなので、注意しておく必要があるでしょう。

共有しているのは面積ではなく権利

前提として、共有名義の不動産における持分とは、所有する面積ではなく不動産の権利を表しています。そのため、例えば2分の1という持分を所有していても、土地の半分を所有しているのではなく、あくまでも権利を半分持っていると理解するようにしてください。

共有名義の不動産の場合、自分の意思で売ったり贈与することができるのは持分だけです。もし不動産自体を誰かに売却や贈与したいなら、他の持分も自分のものにして単独所有者となってからという流れが必要になります。

先に引き継いだ持分のみを売却することは可能?

例えば数年前に親から引き継いだ2分の1の持分の土地を所有しており、残りの持分2分の1を共有者だった祖父から贈与してもらったとします。

単独所有となったことで、兄弟と資金を出し合い賃貸物件を建てる事にしたものの、資金不足により兄弟に土地の持分2分の1を買い取ってもらう事となったとしましょう。

この時、兄弟に売却する持分の2分の1について、親から引き継いだ持分であれば長期譲渡所得に該当するという場合もあるでしょうが、そのような扱いは可能なのでしょうか?

共有にかかる所有権の扱い

共有にかかる所有権は共有目的となる土地全体に及んでいるため、親から引き継いだ持分と祖父から贈与された持分が混在している状態です。

兄弟に売却する持分2分の1にも、親と祖父からの持分権が混在していることになるので、親から引き継いだ持分権に特定して売却することはできません。

したがって、売却により得た収入金額のうち、2分の1は長期譲渡所得、残りの2分の1は短期譲渡所得による収入となる計算を行う必要があります。

譲渡所得税を計算する際に控除対象となる取得費や譲渡費用なども、それぞれで計算する必要があるので間違わないようにしましょう。