不動産名義を変更する時の相続と贈与の違いとは?


不動産の所有者名義を変更する理由は色々ですが、変更手続きのために登記を申請する時には、相続や贈与など原因を記載しなければなりません。

この登記申請の原因によって、課税される税金の種類やかかる費用に違いが出てきます。

相続と贈与の違いとは?

「相続」は、人が亡くなったことで財産を相続人が引き継ぐことで、「贈与」は無償で財産を譲り渡すことです。

親が亡くなり、親名義の不動産を子の名義に変更する時には「相続」を原因とした登記を行いますが、親から子に不動産名義を変更する場合でも親が生きている間に行えば「贈与」になります。

さらに、無償で譲り渡すのではなく、不動産に見合った代金を支払う方法が用いられれば、例え親子でも「売買」による名義変更を行うことになると理解しておきましょう。

税金は贈与よりも相続のほうが得

親から子に無償で不動産を譲り渡し、親名義から子名義に変更したい場合、贈与ではなく相続のほうが掛かる税金を安く抑えることができます。

しかし、贈与税や、場合によっては売買で不動産取得税を支払ってでも、不動産名義を親から子に変更する必要があるかもしれません。

例えば親が収益不動産を所有しており、得ている家賃を子の収入にしたい場合や、親が亡くなって相続財産になると、相続人同士で揉めることが予想される場合などです。

このような場合は、贈与税はかかりますが、贈与を原因として不動産名義の変更を行ったほうがよいでしょう。

□登録免許税も相続の方がやすい

登記を申請すると、登録免許税を同時に納めることになります。

登録免許税は何を原因として名義変更を行うかによって税率が異なりますので注意しましょう。

相続が原因の場合は、評価額(または価格)の0.4%ですが、贈与だと2%が税率になるので、登録免許税だけで考えても贈与のほうが税金は高くなってしまいます。

相続時精算課税制度は使ったほうがよい?

生前に贈与をする場合、2,500万円まで贈与税がかからない「相続時精算課税制度」という制度もあります。この制度を使えば一時的に贈与税はかかりませんが、贈与した方が亡くなった時には、生前贈与した財産も相続税の課税対象となります。

税金を先送りするだけというイメージを抱くかもしれませんが、将来、相続する財産が基礎控除額を超えないことが予想される場合にはよい制度ですので、このような制度もあると頭に入れておくとよいでしょう。

相続開始前3年以内の贈与についても注意

なお、せっかく贈与を行っても相続開始前3年以内の贈与は相続財産に含めることが必要です。

もし、相続開始前3年以内に通常の贈与を行って贈与税を納めた場合、相続が発生した時に相続税の課税対象にならなくてもすでに支払った贈与税は還付されません。

活用できる制度を上手く使うこと

不動産の名義変更を行う目的や理由は様々ですが、活用できる制度を上手に使って、できるだけ納める税金を抑える事ができる様にしましょう。