借地権を設定した土地上の建物に抵当権をつけるなら地主の承諾が必要?


借地権には「借地借家法に基づく借地権」と「民法上の借地権」がありますが、借地借家法に基づく借地権とは、建物の所有を目的とする地上権や賃借権のことです。

第三者から土地を借り、その上に自分が所有者となる建物を建てることができる権利のことを指しています。

借地権は建物の付随する権利なので、建物に抵当権を設定すると借地権にも設定したことになりますが、この場合、土地の所有者である地主に承諾を得ることが必要なのでしょうか。

地主から承諾を得る必要はなし

銀行から融資を受ける時、建物を担保として差し入れるのなら抵当権設定登記が必要です。

もし借地権を得た土地の上の建物に抵当権を設定する場合、登記上は建物にしか抵当権は設定されませんが、借地権にも自動的に抵当権をつけたことになります。

この場合、建物(と借地権)に抵当権を設定することについて、地主から承諾を得る必要はありません。

□借地契約書の内容次第で承諾が必要な場合もある

ただし、借地契約書に「建物に抵当権を設定する場合は地主の承諾が必要」という旨の記載がなされている場合には、地主の承諾を得ることが必要となりますが、それ以外は無断で抵当権を設定したとしても契約違反にはならないといえます。

不要なはずの地主の承諾がなぜ必要?

しかし、融資を行う銀行としては、地主に承諾を得ることを求めてくることがほとんどで、承諾を得ることができない場合は融資できないことが一般的です。

地主に承諾を得る時の承諾書の内容も、単に抵当権を設定することの了承を得るものではなく、もし地代の滞納などあれば銀行に連絡を行うことを地主に約束させる内容が盛り込まれていることもあります。

もし、地主に対する地代が支払われずに借地契約が解除となると、担保として設定していた借地権がなくなってしまうからです。

そのためほとんどの銀行では、地主に対する承諾書を要求してくると理解しておくようにしましょう。

□もし地主から銀行にあった時の流れ

なお、地主から地代が支払われていないことの連絡を受けた銀行はどうするのかというと、借地権の競売が完了するまでに借地契約が解除されないよう、代わりに地代を支払うことを行います。

□地主から滞納の事実が銀行に知らされなかった場合

仮に地代が滞納されているのに、その事実を地主が銀行に連絡せず借地契約を解除した場合は、過去の判例で地主に損害賠償責任を認めたケースもあるようです。

日ごろから地主との信頼関係を構築しておくことが必要

以上のことから、本来なら建物と借地権に抵当権を設定することについて地主の承諾はいらないけれど、結果的に銀行が求めてくる事になると理解しておきましょう。

その際、承諾書の中に、地代の滞納の事実は銀行の知らせることを約束させる条項が盛り込まれていると、地主が負担を感じて承諾してもらえない可能性もゼロではないかもしれません。

なお、地主が承諾をしない場合で裁判所の許可という制度はありませんので、普段から送れることなく地代を支払い、地主との信頼関係を構築しておくことが大切といえるでしょう。