短期と長期の2つの借入金のバランスが崩れてしまう理由とは?

事業を営む上で必要な銀行からの借入金には「短期借入金」と「長期借入金」があります。
短期借入金とは返済期間が1年以内の借入金で、手形貸付や当座貸越などが該当します。一般的には期日に一括返済するものが多いですが、中には分割方式の場合もあります。
長期借入金は返済を1年以上かけて行う借入金で、代表的なものは証書貸付です。
融資を受けた資金は、年数に応じて毎月返済していきます。
その中で、長期借入金が多く、短期借入金が少ないといった2つの借入金のバランスが悪くなっていることがあります。

 

運転資金がバランスを狂わせる?
短期と長期の借入金のバランスには、事業を営む上で欠かせない運転資金が大きく関係しています。
例えば商品を販売して入金されるまで、さらに仕入れから販売されるまでに時間がかかる事業も存在します。そこでまず、自社の決算書から運転資金を確認していきたいのですが、この場合、
「売掛金と受取手形などの売掛債権」+「在庫や半製品などの棚卸資産」-「支払手形や買掛金などの買入債務」
という算式に当てはめて考えていきましょう。

 

長期借入金による運転資金準備を行っていませんか?
仮にそれぞれが1,000万円だった場合には計算すると1,000万円になり、1,000万円の資金が不足することになります。
この場合、何らかの方法で1,000万円を捻出しなければなりませんが、自己資金がなければ銀行からの融資に頼ることを検討するかもしれません。
1,000万円という金額からも、実際は長期借入金による資金調達が行われることが多いでしょう。
しかし上の算式の項目は流動資産や流動負債なので1年以内のサイクルで回ります。そのため1年以内で返済する手形貸付など、短期借入金で資金調達した方が短期と長期の借入金バランスは良くなると考えられます。

 

運転資金を長期借入金で準備してしまう理由
また、短期借入金と長期借入金のバランスが崩れる理由は、銀行側と企業側、それぞれの事情が関係します。
銀行側の立場としては、短期による貸付では融資残高が減らないので、長期証書貸付によって目に見えた返済が月々行われることを望むでしょう。企業側も短期借入金は一括返済などのリスクを考えれば避けたいところで、長期借入金を望むことになります。
いずれも長期での融資を望む傾向にあることで、企業側が短期運転資金に対しての資金調達の意味を把握できていませんでした。
そのため本当だったら短期借入金で調達したほうが良い運転資金まで長期借入金で準備することになり、証書貸付の件数が増えて2つの借入金のバランスが崩れてしまったというわけです。結果として資金繰りを圧迫してしまった企業もありました。

 

借入金のバランスを調整するために必要なことは?
2つの借入金のバランスを調整するためには、銀行が短期融資に対して融資姿勢を変更していくこと、企業側も運転資金に関してしっかり理解しておくことが必要だと考えられます。

お問い合わせ

    お名前*
    フリガナ*
    お電話番号*
    メールアドレス*
    メールアドレス確認用*
    お問い合わせ項目*
    お問い合せ内容

    内見・申込等の方へ