レバレッジ

不動産投資を一度でも考えたことがある方ならば、この「レバレッジ」という言葉を耳にされていることと思います。

レバレッジ=梃子(てこ)、要するにてこの原理ということです。

てこの原理とは、「棒の1点を支点とし、小さな力を支点から遠い点(力点)に加えると、支点に近い点(作用点)で大きな力を得られる」という原理です。

不動産の投資は他の投資とは異なり、購入価格の大部分の融資を借り受けて行うことができます。

要するに小さな自己資金と大きな借入金で投資を行うということです。

そのため投資家の自己資本の収益率を変えることによって、意思決定のプロセスに影響を与えることとなります。


それでは具体的な投資の状況を考えてみたいと思います。
現金を1億円持っていたとします。

ケース①

その1億円で1億円の収益不動産を購入することを想定します。

全額自己資金(抵当がない状態)で購入した場合の収益率(FCR)は、物件そのものが持っている収益率と、自己資金を投入した収益率(CCR)と同じになります。

ケース②

しかし、自己資金の1億円の5分の1の2000万円を自己資本として、残り8000万円の融資を受けて1億円の物件を購入することもできます。

この場合は、自己資金が8000万円残りますので、同じように1億円の物件を4つ購入することができます。

要するに、1億円の現金と借入8000万円×5=4億円で、5億円の物件を所有することができるわけです。

①の場合は、投資した自己資本に対して、その物件が1年間で稼ぐNOI(営業純利益=総収入-運営経費)との比較による収益率(FCR)でどの程度の利回りになるのかを考えます。

②の場合には、投資した自己資本に対して、①のNOI(営業純利益)からADS(年間借入金返済額)を差し引いたBTCF(税引前のキャッシュフロー=NOI-ADS)との比較による収益率(CCR)で、利回りを考えます。

このように、収益率の比較対象が変わってきますが、最終的には投資した自己資本の収益率のそれぞれの比較によって、「購入すべきか」「どのように投資すべきか」などを判断していきます。



借入することによって収益率が上昇する場合と上昇しない場合があります。

借入を使うことによって物件の収益率が上がる場合のことを「正のレバレッジ」といい、「レバレッジが効いている」といいます。

また、逆に借入を使うことによって物件の収益率が下がる場合のことを「負のレバレッジ」といい、「レバが効かない」といったりします。

正のレバレッジなら、借入をして購入するメリットがあるといえます。

しかし、当然のことですが、借入をすることによって、実際の手取り収入は減ることとなります。

ですから、闇雲に借入を増やしてレバレッジ効果を高めても、意味がない場合が出てきます。

その物件から、いくらの収益を上げたいのか、という基本的なゴールの設定によって、いくらまで借入をするのかを判断する必要があります。

また、負のレバレッジだからといって借入しての購入が必ずしも悪いとは限りません。

基本的な投資判断としては正しいかもしれませんが、収益率が下がっても購入すべき場合もあります。

現実的に自己資本が不足していれば仕方ないことです。



正のレバレッジの場合には次のような収益率の比較ができます。

CCR(自己資本収益率)>FCR(抵当がない場合の収益率)となり、借入のメリットがあることがわかります。



負のレバレッジの場合には、

CCR(自己資本収益率)<FCR(抵当がない場合の収益率)となり、借入をすることによって収益率が下がっていることがわかります。



この「レバレッジ」という考え方は、不動産投資では欠かせないものとなります。